京都・着物関連用語集
カテゴリー:京都名物

生麩(なまふ)

生麩(なまふ)とは、小麦粉から取り出したグルテン(たんぱく質)を主成分とし、もち粉や上新粉を加えて作られる、日本の伝統的な食材です。もっちりとした弾力のある食感が特徴で、特に京都では精進料理や懐石料理の一品として親しまれています。

生麩の特徴と魅力

1. 独特のもちもち食感

通常の小麦粉製品とは異なり、グルテンを主成分とするため、しなやかで伸びのある食感が楽しめます。

2. 味のなじみやすさ

生麩自体の味は淡泊であるため、味噌田楽、煮物、揚げ物など、さまざまな料理に合わせやすいのが魅力です。

3. 色とりどりの華やかな見た目

よもぎや柚子、胡麻などを練り込んだものもあり、料理に彩りを添える美しい見た目も特徴のひとつです。

生麩の歴史と京都との関わり

生麩の起源は古く、鎌倉時代に中国から伝わったとされています。特に京都では、肉や魚を使わない精進料理が発展し、その中で植物性たんぱく源として生麩が重宝されるようになりました。今でも、老舗の料亭や寺院の精進料理で伝統的な生麩料理を楽しむことができます。

生麩の代表的な食べ方

  • 生麩田楽:一口大に切った生麩を焼き、甘味噌を塗ったシンプルながら風味豊かな料理。
  • 生麩の揚げ出し:片栗粉をまぶして揚げ、出汁の効いたあんをかけたもの。もちもち食感と出汁の旨みが絶妙。
  • 煮物や椀物の具材:柔らかく煮て、だし汁とともに味わうと、生麩ならではの食感が楽しめます。

京都を訪れた際には、生麩を使った料理を味わうことで、古くから受け継がれてきた食文化に触れることができます。

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