京都・着物関連用語集
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黒留袖(くろとめそで)

黒留袖(くろとめそで)とは、最も格式の高い日本の伝統的な着物の一つで、主に既婚女性がフォーマルな場で着用する正礼装です。黒地に裾模様が施され、家紋が入っているのが特徴です。結婚式や公式の儀式など、特別な場面で着用されます。

黒留袖の特徴

1.黒地の着物

着物全体が黒地であり、これが黒留袖の最大の特徴です。黒という色は、礼儀や格式を重んじる場面にふさわしいとされています。

2.裾模様のみの装飾

着物の裾部分にのみ模様が描かれており、上半身には装飾がありません。この「裾模様」が上品さと格式の高さを象徴しています。

3.家紋が入る

1つ紋から5つ紋までの家紋が必ず入っています。家紋の数が多いほど、格式の高さが増します。

4.主に既婚女性が着用

黒留袖は既婚女性の第一礼装とされており、特に親族や近しい立場の人が着用することが多いです。

黒留袖を着る場面

1.結婚式

新郎新婦の母親や親族が着用するのが一般的です。とくに親族の女性は黒留袖を選ぶことで、フォーマルさを示します。

2.公式の儀式や行事

叙勲式や入学式・卒業式などの重要な行事でも着用されることがあります。

黒留袖の歴史と意味

  • 黒留袖はもともと江戸時代の武家の女性が着用していたものが起源とされています。そのため、伝統的な格式と礼儀を重んじる場で用いられるようになりました。
  • 「留袖」という名前は、袖を短くした(留めた)ことに由来します。袖丈が短いことで動きやすく、既婚女性が活動的に動けるようにデザインされています。

黒留袖は、格式高い場にふさわしい日本の伝統的な装いであり、特別な場面を一層引き立てる存在です。

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