
特集・コラム

京都「五山送り火」って知ってる?
五山送り火とは?
毎年8月16日に行われ、京都の夏を代表する伝統行事として知られる「京都五山送り火」。
精霊送りの意味を持ち、京都市内を囲む5つの山に火が灯ります🔥
自宅でくつろいでいただいた精霊様を、お盆の最終日の16日夜に、再びあの世に送る風習です。
精霊様が無事に帰ることができるようにと願いを込め、五山に火を灯すことによって、あの世へ続く夜道を照らすのです✨
東山に「大」、松ヶ崎に「妙・法」、西賀茂に「船形」、大北山に「左大文字」、嵯峨に「鳥居形」が灯ります。
これら5つの送り火すべて京都市登録無形民俗文化財です。
送り火のはじまり

五山送り火のはじまりについては、あまり明らかになってはおりません。
起源については、諸説がありますが、室町時代以降に始まったとする説や、戦国時代の万灯会が起源とする説、
個人や地域ごとの「送り火」が起源で、それが統合・大規模化されて現在の形になったとされる説、
森林伐採が行き過ぎたせいでハゲ山が多かったことから、開けた斜面を使ってはじめたのではないか?という説もあります。
もともとは、お盆に松明の火を空に投げることで霊を送った風習があり、それが山への点火に変わったそうです。
精霊を送る意味とともに、無病息災・火難除けの信仰も込められています。
送り火のご利益

「五山の送り火」には様々なご利益があると伝えられております!!
例えば、
・点火資材として使われる護摩木に名前と持病を書き、火床で焚いてもらうと病が治る
・火床に残った消し炭を半紙などに包み、水引にかけて戸口に吊るすと厄除け・魔除けになる
・盆やコップに注いだ水やお酒を杯で飲むと中風にかからない、無病息災になる
など、たくさんのご利益があるとされています😮
※護摩木は、「妙・法」を除く4山で奉納の受付が行われています。
五山の送り火の仕組み
送り火は山に「火床」という**火を灯すために設置された場所(炉)**が設置されています。
各文字の線を構成する点として、山の斜面に何十個も整然と配されています。
例:大文字 → 約75ヶ所、鳥居形 → 約108ヶ所

🔥 火の材料は?
主に使用されるのは以下のものです:
松割木(まつわりぎ):油分が多く、よく燃える
護摩木(ごまぎ):祈願や戒名を書いた供養木(特に船形など)
灯油・杉葉・麻縄:火を広げやすくする補助材 などが使用されています。
🔧 点火の方法
各火床に火をつけるのは人の手で、数十人の地元ボランティア・保存会メンバーが一斉に合図で点火します。
火床ごとに火が灯っていき、全体で一文字が夜空に浮かび上がるよう設計されています。
大文字焼き

東山の如意ヶ嶽(大文字山)に午後8時に点火されます🔥
なぜ、 如意ヶ嶽に点火されるようになったかは、
・弘法大師(空海)による「大」の字の起源
最も有名な伝説の一つが、
弘法大師(空海)が如意ヶ嶽の山頂から魔除けのために「大」の字を描いたというものです。
ある年、疫病が京都中に広まり、民が苦しんでいました。
空海はこの地に登り、山に向かって火を焚き「大」の字を天に示すことで、災厄を鎮めたといわれています。
以来、火を灯すことで無病息災・厄除け・先祖供養の祈りを込めるようになったという説があります。
🔍 実際の送り火は江戸時代初期(1600年代)に定着したとされており、
この伝説は宗教的意味合いを強めるために後から広まった民間信仰だと考えられています。
・ 足利義政が始めた説
室町幕府八代将軍・足利義政が銀閣寺(慈照寺)を建立した際、
この地の霊を慰めるために、大文字送り火をはじめたという言い伝えもあります。
義政は東山文化を代表する人物であり、 「禅」や「わび・さび」の精神と結びついた送り火を通して、先祖の供養や精神の浄化を意図したとも言われます。
📜 この説は京都の東山文化と送り火の結びつきを象徴的に語るものですが、 史実としての根拠は定かではありません。
・ 鬼を封じた火の話
如意ヶ嶽には昔、山鬼(やまおに)がすみ、村人を苦しめていたという伝説があります。
あるとき、修験者がこの鬼を山頂に封じ、 毎年その霊力が蘇らないように火を焚いて封印を続けたという民話も、比叡山系や銀閣寺周辺に残されています。
この火こそが後の「大文字」の火となり、悪霊退散の火祭りとして受け継がれている…という伝説です。
民間信仰の中では、「大」の字そのものに **大日如来(だいにちにょらい)**の象徴 「大」=宇宙・智慧・浄化のシンボル
といった意味を込める話もあります。
また、魔除けや無病息災、豊作祈願の願いも込められてきました。
つまり、大の字を夜空に浮かべることで、この世のけがれを浄化し、魂を浄土へ導くといみが込められています――
大文字焼 鑑賞スポット一覧
① 鴨川デルタ(出町柳駅前)
定番中の定番スポット!
川沿いに座ってゆったり鑑賞可能。
「大」の字が真正面にくっきり見える好立地。
混雑するので早めの場所取りがおすすめ。
📷 写真映え:◎/混雑度:高
🚶 アクセス:出町柳駅すぐ
② 今出川通(賀茂大橋~河原町)沿い
今出川通の賀茂川にかかる橋の上からも「大」がよく見える。
比較的アクセスが良く、交通規制に注意すれば便利なスポット。
遠くに「妙法」など他の火文字が同時に見えることも。
📷 写真映え:○/混雑度:中
🚶 アクセス:京阪・出町柳駅、バス多数
③ 吉田山公園
高台から「大」の字を上から眺めるように鑑賞できる隠れスポット。
銀閣寺の近くに位置し、木々の間からくっきり火が見える場所も。
夜道が暗く足元注意。
📷 写真映え:△(木の間から)/混雑度:少なめ
🚶 アクセス:徒歩+登りあり
④ 北白川周辺(北白川仕伏町・別当町など)
「大」の字のすぐ麓にあたるエリア。
火が近く、臨場感が圧倒的。
見上げるような迫力ある送り火を体感可能。
地元の人が多く、静かに鑑賞したい人向き。
📷 写真映え:○(近すぎて全体撮影は難)/混雑度:低
🚶 アクセス:バス「銀閣寺道」など
⑤ 京都御苑(京都御所)内
広い芝生からゆったりと「大」の字を眺められる。
家族連れやグループでの鑑賞にもおすすめ。
夜でも安心して過ごせる落ち着いた雰囲気。
📷 写真映え:◎/混雑度:中~高
🚶 アクセス:地下鉄「丸太町」駅・「今出川」駅
妙法

松ヶ崎西山・松ヶ崎東山に午後8時5分に点火されます🔥
なぜ、 松ヶ崎西山・松ヶ崎東山 に点火されるようになったかは、
・ 日蓮上人の弟子・日像上人の加護説
最も有名な伝説がこちら。
鎌倉時代、日蓮宗の高僧・日像(にちぞう)上人が布教のため京都を訪れ、松ヶ崎の地に庵を結び、法華経の教えを広めました。
その際、村人たちが日像上人の教えに深く帰依し、お盆の送り火として「妙」と「法」の文字を山に灯し、ご先祖の魂を法華経の功徳で導こうとしたのが始まりと伝わります。
日像上人の遺徳を偲び、今も送り火の前には松ヶ崎大黒天(妙円寺)で読経と供養が行われます。
✍️ この伝説は宗派の信仰に基づくため、妙法だけが「法華経」に由来する仏教用語を用いているのも納得ですね。
・ 「妙」と「法」は夫婦であるという説
地元には、「妙法の山は夫婦山である」という言い伝えもあります。
「妙」が男性(西山)、
「法」が女性(東山)
とされ、2つの山が離れていても常に対になって支え合う存在として語られてきました。
この伝説は、法華経の中の「妙=真理」「法=その形や教え」という意味にも通じており、2文字がそろって初めて仏法の力が完全になる、という仏教思想に重なります。
・ 妙法は“雷除け”や“火除け”のご利益があるという話
松ヶ崎地域では昔から、「妙法の火を見ると災いが消える」とされてきました。
とくに、「雷が多かった年でも妙法を拝めば無事でいられる」という言い伝えがあり、地元では妙法の送り火を家の屋根から家族そろって拝む風習が今も残っています。
また、法華経の教えそのものが「災厄除け・病気平癒の功徳」を持つと信じられており、妙法の送り火は「火そのものに清めの力がある」と考えられてきました。
・ 送り火の炎に祈りを託す“護摩の火”説
かつて妙法の送り火には、ただの薪だけでなく、願いを書いた護摩木(ごまぎ)や祈願札を一緒に燃やす風習があったとされています。
これにより、
「病気回復 」「家内安全」 「子孫繁栄」
といった個人の祈願も炎と共に天へ届けるという、まるで“護摩祈祷”のような意味を持つ火祭りでもあった、という伝説が残っています。
妙法が灯るふもとでの日本最古の盆踊り

送り火のふもとにある涌泉寺で は、前日の15日午後8時頃と16日の点火終了時後の午後9時ごろから、
涌泉寺で日本最古の盆踊りが催しされます🎐
涌泉寺の盆踊りは、昭和期から続くとされ、世代を超えて受け継がれている伝統行事です。
子どもたちのための行事としても位置づけられており、お地蔵さんへのお供え・お参りとあわせて、踊りや催しが行われるというのが特徴です。
提灯の光に照らされた境内で、浴衣姿の人々が太鼓のリズムに合わせて踊る風景はとても風情があり、他の観光地型の盆踊りとは異なり、地元住民の手による温かみのあるお祭りです。
地蔵尊に手を合わせてから踊りに参加する人も多く、信仰と娯楽が自然に溶け込んだ時間が流れます🍃
妙法 鑑賞スポット一覧
① 高野川沿い(北山通~松ヶ崎駅周辺)
川沿いから見ると、「妙」も「法」も正面に並んで見えるベストポジション。
特に**北山通の高野川沿い(東側歩道)**が人気。
地元民に人気の定番スポットで、比較的広く落ち着いて鑑賞できます。
📷 写真映え:◎
🚶 アクセス:地下鉄「松ヶ崎駅」徒歩5分
📌 おすすめ時間:19:30には到着を
② 宝ヶ池公園 北園エリア
開けた場所で、遠くから「妙」と「法」をセットで見ることができます。
夜は比較的すいていて、家族連れにも安心のスポット。
公園内は暗いので、懐中電灯必須。
📷 写真映え:○
🚶 アクセス:地下鉄「国際会館駅」徒歩10分
③ 京都ノートルダム女子大学前(松ヶ崎通)
大学前のゆるやかな坂道から、「妙」と「法」が並んで見えるスポット。
知る人ぞ知る、地元の穴場。
人混みが苦手な方におすすめ。
📷 写真映え:◎
🚶 アクセス:地下鉄「松ヶ崎駅」から徒歩圏内
④ 北山大橋(北山通 × 高野川)付近
高野川にかかる大きな橋の上から、夜空に浮かぶ妙と法の文字を同時に鑑賞可能。
周囲が明るく、浴衣での撮影にも向いています。
📷 写真映え:◎
🚶 アクセス:市バス「高野橋東詰」または地下鉄「松ヶ崎駅」
⑤ 叡山電車「修学院」~「一乗寺」駅間の車内
タイミングが良ければ、電車の窓から「妙」と「法」の文字が並んで見える瞬間も。
混雑を避けて“移動しながら”鑑賞するスタイル。
📷 写真映え:△(電車内)
🚶 アクセス:叡電「修学院」or「一乗寺」
船形

西賀茂船山に午後8時10分に点火されます🔥
なぜ、 西賀茂船山 に点火されるようになったかは、
・ 魂を運ぶ「冥途の舟」説(魂舟伝説)
最も広く知られているのが、この世に戻ってきた祖霊が、再び冥界へ向かうための舟として、
送り火で船の形を灯すという言い伝えです。
船形はその名の通り「舟」の形をしており、燃え上がる炎の中に“霊を乗せた魂舟”が現世から旅立つ姿を重ねて、
ご先祖の魂を無事に浄土まで送り届ける役目を果たしているとされます。
💡 五山の中で唯一「舟」を模した形状であり、**浄土へ渡す“送りの象徴”**としての性格が強い送り火です。
・北斗七星の守り神・妙見信仰との関係
船形が灯される**妙見山(みょうけんやま)は、
その名の通り、古来より北斗七星を神格化した妙見菩薩(みょうけんぼさつ)**への信仰があった地です。
妙見信仰では、北斗星に乗って魂が天に昇るとされ、そのイメージが船と結びついたとも伝えられています。
✨ このため、船形の送り火は「霊を天界へ導く“星の船”」という説も。
また、妙見山周辺の寺では今も星供養や厄除けの祈願が行われています。
・伝説の船が現れたという“幻の船”話
船形山には、かつて**“夜空を渡る炎の船”が見えた**という古老の言い伝えが残っています。
ある夏の夜、送り火が終わったあとも空に炎が浮かび、
それがまるで船が空を航っていくように見えた――
という不思議な目撃談が代々語られており、
これが「魂舟は本当に旅立っている」という信仰につながったとされます。
🔮 船形の送り火を見ていると、不思議と“動いている”ように見えると言われるのも、この伝説に重なる点です。
・ 船形の火に願いを託す「護摩木」の伝承
船形では、点火に使う薪の一部に**“護摩木”と呼ばれる祈願木”**を用います。
地元の人々はこの護摩木に名前や願いを書き、
「送り火とともに願いを浄化し、先祖の霊と共に天へ届ける」
という信仰を大切にしてきました。
この風習は現代も続いており、事前に西方寺などで護摩木を申し込むことができます。
他の五山に比べてやや控えめな印象ですが、船の柔らかい曲線と優しい光が特徴です✨
船形鑑賞 スポット一覧
① 西賀茂橋(賀茂川沿い)
**ベストスポット!**船形が最も美しく見える場所。
地元の人たちが集まり、落ち着いた雰囲気で鑑賞可能。
川辺で涼しく、浴衣での写真撮影にもぴったり。
📷 写真映え:◎
🚶 アクセス:市バス「西賀茂車庫前」徒歩5分
📝 19時前には場所取りを!
② 賀茂川上流の堤防(西賀茂北部)
川沿いに続く堤防上から船形を斜めに見上げる形になります。
比較的混雑が少なく、ゆっくり静かに見たい方におすすめ。
お弁当や飲み物を持って来て、ピクニック風にも楽しめます。
📷 写真映え:○
🚶 アクセス:西賀茂周辺の徒歩移動がメイン
③ 京都産業大学周辺(上賀茂グラウンド近く)
山との距離がややあるものの、船形全体を俯瞰で見やすい。
地元の学生たちにも人気の鑑賞スポット。
バスの本数が少ないので、アクセスは要チェック。
📷 写真映え:△(やや遠景)
🚶 アクセス:市バス「京都産業大学前」
④ 賀茂川と北山通の交差点近辺
遠くに「大文字」や「左大文字」と共に、船形が見えることも。
全体を眺めるには双眼鏡やカメラズームがあると便利。
比較的空いていて、五山全体を把握したい人向け。
📷 写真映え:△
🚶 アクセス:地下鉄「北大路」駅+バス
左大文字

大北山に午後8時15分に点火されます🔥
なぜ、 大北山 に点火されるようになったかは、
・ 無縁仏の霊を慰める「大の火」
左大文字が灯される大北山一帯は、かつて風葬地や処刑場だったともいわれ、
人々の弔いを受けられなかった無縁仏の霊が多く眠る場所とされてきました。
そのため、江戸時代中期に地元の僧侶たちがこの地で火を焚き、
「せめてあの世へ安らかに送ってあげたい」という想いからはじまったという説が伝わっています。
今もその名残で、左大文字は“慰霊の火”としての色が特に強いといわれています。
・水子の魂を送る火
「大」の字が灯される大北山周辺では、昔から**水子供養(亡くなった赤子の霊)**が行われてきました。
その名残として、左大文字は「子どもの霊を送る火」として親しまれている地域もあります。
とくに昭和中期までは、送り火の前に子どもたちが「ちいさな灯籠」を山へ向けて流す風習が一部に残っていたとされます。
・鬼が出たという山伝説
大北山のふもとの一部では、「昔、この山に鬼が出た」という古い民話も残っています。
その鬼は火を恐れて逃げたとされ、
「この山で火を焚けば悪しきものは来ない」という信仰につながっていったともいわれています。
この話と合わせて、左大文字の「火」は、**“魔除けの象徴”**としての意味合いを持つという説も。
そのため、現在も保存会や地域のお寺では、点火前に戦没者、水子、無縁仏への読経や法要が丁寧に行われるなど、
伝説に基づく精神的土台がしっかりと息づいています。
京都御所から見て、西側(向かって左)に見える大文字であることから、「左大文字」と呼ばれています。 左大文字の方が火床数が少なく、シンプルですが、力強く均整の取れた「大」の字が印象的です。
左大文字 鑑賞スポット一覧
① 金閣寺道(きんかくじみち)バス停付近
左大文字が正面に大きく見えるベストスポット!
バス通り沿いに立つだけで、山肌の「大」の字が目の前に広がります。
地元の人にも定番の人気エリアで、交通アクセスも良好。
📷 写真映え:◎
🚶 アクセス:市バス「金閣寺道」下車すぐ
📝 19:30頃までには現地到着が安心
② 衣笠御所ノ内町周辺の住宅街
「大」の字のすぐふもとにあたる場所で、火の迫力を近くで感じられる。
夜道がやや暗く静かな場所なので、落ち着いた鑑賞向け。
見上げるような角度になるため、スマホでの写真は少し難易度高め。
📷 写真映え:○(距離が近すぎる場合あり)
🚶 アクセス:市バス「金閣寺前」または徒歩
③ 立命館大学 衣笠キャンパス前(白梅町方面)
通学路としても知られる通りで、「大」の字が斜めにくっきり見える穴場スポット。
大学生や地域住民が静かに見守る雰囲気。
📷 写真映え:○
🚶 アクセス:市バス「立命館大学前」
④ 船岡山公園 展望台
展望台から京都市内を一望でき、左大文字+他の送り火も見える絶景ポイント。
「鳥居形」「船形」も一部見える日もあり、五山を総覧したい人におすすめ。
少し登る必要があるので、歩きやすい靴と懐中電灯が◎
📷 写真映え:◎
🚶 アクセス:市バス「建勲神社前」から徒歩10分(登山道)
⑤ 平野神社前〜北野白梅町交差点付近
鳥居と「大文字」を一緒に構図に入れることも可能なフォトジェニックスポット。
近くにカフェやコンビニもあり、便利な立地。
📷 写真映え:◎
🚶 アクセス:嵐電「北野白梅町」駅徒歩5分
鳥居形

曼荼羅山に午後8時20分に点火されます🔥
なぜ、 曼荼羅山 に点火されるようになったかは、
・「神々の国への門」を開く火
鳥居形は、「鳥居のかたちをした火を灯すことで、霊が神の国へ帰る門を開く」とされます。
この地の古い伝承では、お盆に帰ってきたご先祖の霊は、
最期に鳥居の門をくぐって、神域へ戻っていく=あの世へ旅立つと信じられてきました。
つまり、鳥居形の火は「霊を送り出す神聖なゲート」を象徴する送り火です。
🔍 宗教的には、仏教の「妙法」や「大」に対して、鳥居形は神道の要素が強いのが特徴です。
・ 愛宕信仰との結びつき
曼荼羅山がある嵯峨一帯は、古くから**愛宕山信仰(あたごさん)**が根付いた地域です。
愛宕山は火伏せ・防火の神として知られ、
その神域の一部に鳥居形の送り火が灯ることで、火の霊力を“浄火”として神に捧げるとされました。
そのため、鳥居形の火は「火伏せの守護」「無病息災」の祈願とつながり、
一年の災厄をここで鎮め、神に託す意味があると信じられています。
・ 弘法大師(空海)が鳥居を描いたという伝説
一説では、弘法大師・空海が愛宕の神を鎮めるため、
曼荼羅山の斜面に「火の鳥居」を描いて祈りを捧げたという伝説も残っています。
この伝承では、空海が描いた火の鳥居によって疫病が治まり、雨も止んだとされ、
以降、村人たちが毎年火を灯し、感謝と祈りを捧げるようになったといいます。
・ 鳥居をくぐって霊が清められる話
ある地域では、「鳥居形の火を見送ったあと、霊はその火の鳥居をくぐることで清められ、穏やかに旅立てる」という話が伝わっています。
この言い伝えでは、送り火の最後に鳥居形が灯るのは、
「最後に霊を祓い、神の導きで天に昇らせるため」であり、
鳥居形は清めの門・光の門として特別な意味を持っています。
他の五山が仏教的色彩が強いのに対して、「鳥居形」は神道的要素が色濃いのが特徴です。

鳥居形と灯篭流し
嵐山では、五山の送り火が点火される16日に灯篭流しが行われます
灯篭流しは19時~21時ころまで、嵐山中ノ島公園で行われ、送り火が点火される時間に、灯篭流しを同時に見ることができます。
お盆に迎えたご先祖の霊を、灯篭(とうろう)に託して川に流す伝統行事です。
灯篭には故人の名前やメッセージが記され、供養の祈りと共に静かに水面を漂います。
だんだんと川面に広がる数百の灯篭の光が、嵐山の夜を幻想的に照らします✨
灯篭とともに僧侶による読経と鐘の音が響き、厳かな雰囲気を体感することができます。
また渡月橋からは、**灯篭が流れる風景と五山送り火(特に鳥居形)**を一緒に見ることができます!

鳥居形鑑賞スポット一覧
① 渡月橋(とげつきょう)周辺
嵐山観光の定番スポット。川越しに「鳥居形」が美しく浮かぶ。
「嵐山灯篭流し」とセットで観賞できる唯一の場所✨
浴衣姿の人も多く、もっとも情緒ある送り火体験ができる場所のひとつ。
📷 写真映え:◎(灯篭+鳥居のコラボ)
🚶 アクセス:嵐電「嵐山駅」または阪急「嵐山駅」から徒歩圏内
⚠️ 非常に混雑!早めの場所取りを(18:00前目安)
② 中之島公園(嵐山公園内)
渡月橋のすぐ下流にある公園。真正面から鳥居形が見える絶好ポイント。
観覧席のように芝生が整備されており、レジャーシート持参でピクニック観賞もOK。
📷 写真映え:◎
🚶 アクセス:同上
🌿 トイレ・屋台あり
③ 法輪寺(だるま寺)境内・展望所
渡月橋の南側、坂の上にあるお寺。境内から少し高い位置で鳥居形を望むことができます。
比較的人が少なく、静かに送り火を見守りたい人におすすめの穴場。
📷 写真映え:○
🚶 アクセス:阪急「嵐山駅」から徒歩約10分
🕊️ 周囲は住宅街のため静かに
④ 広沢池(ひろさわのいけ)南岸
鳥居形の火が水面に**鏡のように映る“逆さ鳥居”**が見られる名所。
写真家や風情を求める人に大人気!
少し離れているので混雑も控えめ。
📷 写真映え:◎(逆さ鳥居が神秘的)
🚶 アクセス:市バス「山越」から徒歩10分
🕯️ ライト・虫除け持参推奨
⑤ 嵯峨天龍寺駅周辺(JR嵯峨嵐山駅)
駅前のロータリーや歩道から、鳥居形の上部が正面に見えるスポット。
駅からのアクセスもよく、帰りの混雑を避けたい人に◎
帰り道に観賞するスタイルにもおすすめ。
📷 写真映え:○
🚶 アクセス:JR「嵯峨嵐山駅」すぐ
京都の夏の夜空に浮かぶ、祈りの炎――
五山の送り火を、着物姿で体感しませんか?
そんな厳かな一夜を、着物や浴衣をまとって歩けば、まるで時代を越えた旅人に👘
夏の夕暮れ、うちわ片手に鴨川や嵐山のほとりで待つ送り火は、
静けさのなかにどこか懐かしさを感じる、心に残るひとときです。
写真にも思い出にも残る「夏の京都」へ🎐
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