特集・コラム
京のお正月
京都には、華やかで晴れ晴れとしたハレ(晴)の料理と、
日常を表すケ(褻)の料理があります。
日々を大事に暮らすことでハレの料理が特別なものとなり
春夏秋冬を繰り返す中でその最たるものとなったのが
おせちです 。
京都では何の日に何を食べると決め、
それを律儀に守ることをよしとする傾向があります。
正月、大方の家では丸餅の白味噌雑煮で、
ごまめ、たたき牛蒡、数の子は
おせち料理の中でも特に重要な【3種】とよばれ、
それぞれ生活姿勢や人生の夢を託して食されます。
三が日箸をつけない【にらみ鯛】なども京都特有の習慣ですね
お正月の京料理
元旦 白味噌の雑煮(丸餅、かしらいも、小芋、雑煮大根)
今年一年、まるく人と争わないようにすべてが丸く、
家長は出世して人の頭になるようにと思いを込めて
かしらいもを食べます 。
三が日 にらみ鯛
にらみ鯛とは尾頭付きの塩焼き鯛をお正月の3が日の間、
一切手をつけずに
ただ見て、眺め、4日目にいただく京都の風習です。
めでたい鯛は縁起がよくハレの日のお祝いに
ふさわしい魚です。
特に正月は、歳神様という神様が
一年間の幸福を与えてくれる行事の為、
まずは神様に捧げることにしたのではないでしょうか(*^^*)
七日 七草粥
十五日 あずのおかいさん(小豆粥)
お正月の料理には、願いや思いを込めた物が今も残っており
7日には無病息災を願って【七草粥】を
小正月と呼ばれる15日には柔らかく炊いた
小豆とお餅を入れた【小豆粥】を
食べて邪気を祓い健康を祈願します。
15日を過ぎるとハレからケの暮らしに戻り、
食事も日常的なものに
厳寒の中、節分、立春を迎え春の訪れを心待ちにします。
季節と行事の京菓子
料理にまつわる縁起はいろいろありますが、
京都にはお菓子にも新年にちなんだものがあります。
のひとつが【はなびら餅】です。
今では京都以外でも見かけますが、
京都の正月を代表する伝統菓子のひとつです。
丸い白餅に紅の菱餅と味噌餡を置き
甘煮にした牛蒡をはさみ、半円状に折ったもの。
室町時代から宮中の正月の行事食である
菱はなびらが原型で、明治時代以降、
茶の湯の初釜(裏千家)で使われるようになりました。
お正月の行事
1月1日~3日 六波羅蜜寺 皇服茶(おうぶくちゃ)
結び昆布と小粒梅を、若水入れた煎茶に入れていただきます。
京都に疫病が流行した折、空也上人が薬茶をふるまったことに始まりました。
村上天皇も服したことからの名称です。
1月3日 八坂神社 かるた始め式
能舞台で、平安時代の装束を身につけた歌人が
かるた取りの妙技を競う新春の風物詩です。
1月4日 下鴨神社 蹴鞠始め
蹴鞠は奈良時代に中国から伝わった球技。
6名から8名が一座となって
鹿皮でできた毬を、相手が受けやすいように
優雅に蹴り続ける。
飛鳥井流、難波流などの流派があります。
1月10日 恵美須神社 十日ゑびす大祭(初ゑびす)
同社は商売繁盛の神様。
招福祭(8日)、宵ゑびす(9日)、初ゑびす(10日)、
残り福(11日)、轍福祭(12日」の5日間、神楽殿にて終日、
神楽の奉納が行われ、京の初春を祝います。
新春の京都はいろいろな行事がいっぱい
初詣だけではなく、様々な場面をお着物で彩りませんか(^^♪
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【この記事の著者】
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