特集・コラム

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日本の色彩 ~自然がおりなす伝統色~ 

日本の色彩 ~自然がおりなす伝統色~ 

日本人の美の心・和の色  

 はじめに

 四季の移ろいの中に美の心を生み出した様々な伝統色、日本では古来より暮らしの中に多彩な色合いを取り入れ、繊細な色の世界を見出し、その豊かな情趣を愛でてきました。それらは多くの絵画、染織物、陶芸、詩歌、文学として生活や文化の中に深く息づいています。例えば平安の女性達の聡明で繊細な感性が生み出した襲装束の配色美、中世の武家社会に見られる質実剛健さ、戦国武装の極彩色に満ちたきらびやかな彩、山紫水明との調和を求めた閑寂な風流、そして侘び・寂びの世界などなど。
 歴史の流れの中でつけられた和の色は名前も美しく風雅です。日本人の美の心である日本の色、ここでは伝統色の中から、1番高貴な色とは? また京都のイメージカラーは? ご存知でしょうか?ご自分の着物誕生月カラーを!! 知ればお洒落の楽しさアップ♪ また色彩から学ぶ着物選びのヒントなどを取り挙げて行きたいと思います。

 1番高貴な色とは? また京都のイメージカラーは?

日本で「伝統色」と呼ばれている色には、藍色や朱色のように草馴染みのあるものだけでなく、瓶覗(かめのぞき)空五倍子色(うつぶしいろ)という読み方すらあやふやなものまで千種類以上あると言われております。そのどれもが日本特有の色彩感覚に基づいており古代から昭和中期くらいまでの歴史資料に出典があります。そこで日本において聖徳太子が制定した「冠位十二階」の位、着用色にて最高位とされたのは紫であり、紫という色は古代より洋の東西を問わず高貴な色とされてきました。中国・前漢の武帝(在位BC141~BC87)は紫を好み、天帝の色として「禁色きんじき」とし、また今から3600年前の地中海の海洋国家フェニキア人は、アクキガイ科の貝のパープル腺から取り出した液を集めて布に染めつけました。1グラムの色素を得るには2千個もの貝が必要だったそうです。とても手間暇がかかるという訳ですね。

因みに京都のイメージカラーの1位もまた紫とのことです。
理由として、上品・おしゃれ感があるらしく、京都人としては嬉しく思います(^^♪
高貴な色であるとともに、妖艶でもある紫。その魅力はミステリアスです。

紫の色名には、「深紫(こきむらさき)」「帝王紫(ていおうむらさき)」「紫鈍(むらさきにび)」「江戸紫(えどむらさき)」「藤紫(ふじむらさき)」「滅紫(けしむらさき)」「二藍(ふたあい)」「杜若(かきつばた)」「似紫(にせむらさき)」「葡萄(えび)」「茄子紺(なすこん)」「脂燭(しそく)」などがあります。
これらの伝統色を作り上げる染料や染色(染物)は、日本独自の伝統文化でもある”着物“には欠かせない技法の一つです。
縄文時代から続く染色技法。今となっては、天然染料だけでなく化学染料を用い、新たな色彩が生まれました。長い年月をかけ、型染や手書きなど様々な技法が誕生し染物の種類も増えました。最近では冠婚葬祭以外でも若者の間ではカジュアルに着物を楽しまれるようになってきました。色彩豊かな着物もまた写真「映え」いたします。日本の文化である染色(染物)を使った着物を着ることで、その良さや素晴らしさを短かに感じていただきたいと思います。

 ちょっと知っておきたい着物誕生月カラー♪

誕生石や誕生花があるように「誕生色」というものがあることをご存じでしょうか?
昔から日本の色彩と四季は密接な関わりがあり、継承されて来た日本の色には、四季折々の風物に培われた日本特有の情感があります。この情緒豊かな日本の色の中から現在に適合し、これからの時代をリードする12色を月別に選定したのが、バース・カラー「誕生色」です。日本の民族衣装「きもの」を中心に彩られた「誕生色」は、あなたに贈る世界共通の色です。季節を感じさせ、その月をイメージさせる素敵な色と色名。ご自分の誕生月の色を身につけると幸運を運んできてくれるかも知れませんね♪
着物や浴衣などお召しになる折に楽しんで見られてはいかがでしょうか。

  色彩から着物選びのミニ知識‼

お着物や浴衣などをお召しになる折に、着物と帯や小物合わせなどで、迷ったり悩んだりされたことはございませんか?
ひとつずつを見るときれいなのに、組み合わせるとイメージが違ったり、ビンとこなかったりと…。色には相性のいい組みあわせとそうでないものがあります。センスがいい人、素敵な感覚を持った人は色のコーディネートが上手なのです。色使いのセンスを上げるには、分類や表しを学ぶことがポイントです。この事をちょっと知っているだけで色を上手に組み合わせて思い通りに使いこなせると思います。今回は誰が見ても「素敵な色選び」と思われるような配色方法をお教えいたしたいと思います。
 
<色相・明度・彩度>
色を大きく分類すると、パープルやオレンジなど彩のある「有彩色」と白・黒・グレーという彩のない「無彩色」とに分けられます。有彩色には以下のように色相・明度・彩度の3つの要素があります。(無彩色には色相と彩度はなく明度のみがあります。)

                   色相  →  色みや色合  
                   明度  →  明るさの度合い  
                   彩度  →  鮮やかさの度合い

そして、色相の中で似た色同士を隣りにし、虹の配列のように「赤・オレンジ・黄色・みどり・青緑・青・赤紫…」と段階的に色味を変化させて図のように丸く並べたものを、色相環といいます。
色相環では、向かい合った色同士の組み合わせを補色といいます。たとえばオレンジと青、黄緑と紫、といった組み合わせが補色でこの2色は色相差が最も大きく、お互いの色みを引き立たせる色です。着物と帯もまた、補色を使ったコーデをあえてされてみてはいかがでしょうか?きっと、新しいスタイルを見つけられるのではないのでしょうか♪

<色から連想されるイメージを知る>
色にはそれぞれ、多くの人に共通して感じられる連想イメージがあります。感情や抽象的なイメージ、身の回りの具体的なものなどです。
色の心理的効果を上手に使うと、相手に伝えたい思いや、見られたいイメージを視覚的に伝えやすくなります。
色を選ぶ際には、なりたいイメージや伝えたい意味を込めるのもオススメです。

あなたは、どの色を好まれますか?
選ばれる色によってイメージはさまざまですネ。
 
<色の組み合わせ>
2つ以上の色同士を組み合わせることを配色といいます。着物と帯、ブラウスとスカート、セーターとズボンなどのように、配色のルールを知るとイメージが描きやすくなったり、センスよく見せたり、目的に合わせた色使いができます。まずは代表的な2つの配色方法をご紹介いたします。類似する色同士をまとめる「まとまり配色」と対比させてコントラスト感をつくる「メリハリ配色」です。

「まとまり配色」

「メリハリ配色」

このように配色の組み合わせからヒントを得られることで、例えば着物と帯のコーデにてご自分なりの素敵な選び方により、お洒落をより一層に楽しむことができると思います。身近に着物を感じたいと思われた折には、是非ともレンタル着物岡本へお越し下さませ。皆様の装いのお手伝いをさせていただけるのなら幸いに存じます。色彩を通じて京都ならではの伝統文化でもある着物の魅力を、もっともっと知っていただきたいと、切に願っております。


【この記事の著者】
レンタル着物岡本 本店
〒605-0846 京都市東山区五条橋東六丁目546-8
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