特集・コラム

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大正ロマン~袴コーデ&映えスポット

大正ロマン~袴コーデ&映えスポット

2021年03月22日

◆大正ロマンとは

明治~大正時代に日本が西洋の文化を取り入れ、古き良き和の中にも革新的なオシャレ感をプラスした装いの総称です。
「大正ロマン」という言葉のルーツはその名の通り、大正時代の雰囲気を漂わす独特の芸術・文化・思想のことを言います。
この時代は外国の西洋の文化が日本でも流行しました。
例えば洋食が広まり「カフェ」「レストラン」が大きく成長したのも大正時代です。
また、開国に伴い建設された西洋の建築様式を用いた「洋館」もこの時代の象徴物です。
和食・和服から洋食・洋服となり、今までの和風文化一色と代わって様々な西洋の文化が取り入れられていった大正時代は
日本の歴史の中でも特別な文化の1つです。伝統と近代化の織り交ざった古き良き時代だったとも言えます。
このように古き良き和装の中にも、革新的なオシャレ感をプラスした装いが「大正ロマン」なファッションコーディネートです。
ただ「美しく綺麗にまとまった」だけの着物姿ではなく、伝統的で落ち着いた雰囲気を残しつつ
鮮やかな色彩や昔ながらのレトロな髪型なども取り入れて、
「奥深さ」や「本来の美しさ」「懐かしさ溢れるオシャレ」を表現することができます。
大正時代の着物は、幾何学模様や当時にしかない珍しく鮮やかな色合いが特徴です。
そして大正ロマンコーデで外せないのが袴です。

◆ハイカラさんスタイル

袴姿は学生のシンボル

ハイカラという言葉は明治時代に生まれ、その時代背景を反映させる言葉として広く使われるようになりました。
西洋文化を取り入れ、時代の最先端を行くオシャレな人。主にそんなニュアンスで使われるように
なった大正時代の イメージのまま、今もハイカラというと”オシャレ”という意味で使われています。
袴はもともと明治期、学校の制服として作られたもので
袴の由来は宮中の女官服にあり動きやすいという機能面ばかりでなく、優美さを兼ね備えている
点からも学問の場にふさわしい身なりとして定着していった経緯があります。
袴姿の女学生たちが凛々しく歩き、活動的に自転車に乗りスポーツもする。
そんな生き生きとした袴姿の女性たちは、女性が活躍する時代のシンボルにもなりました。
ハイカラさんといえば
①矢絣の着物 ②海老茶色の袴 ③黒のブーツ ④ヘアスタイルはハーフアップに大きなリボン
というイメージではないでしょうか?
矢絣(やがすり)模様は矢羽をモチーフにした日本ならではの和柄です。
矢羽とは矢の上部にあしらわれた鳥の羽の部分を指します。
神社やお寺で授与される破魔矢を思い浮かべてみてください。上部に羽根がついていますよね。
矢羽根模様はそれが図案化された模様です。
破魔矢には魔除けの意味があり、射た矢は真っすぐに突き進むという
ことから矢羽根模様は縁起柄のひとつとされています。

当時のスタイルを取り入れつつ現代風のアレンジを加えてコーディネートするとモダン大正ロマンコーデが 仕上がります。
再び大正ロマンブームが来ている近頃では、アンティーク調や淡色の着物に
白やグレー・黒など モノトーンカラーの袴を合わせるのが人気を集めています。

◆ヘアスタイル

モダンガール

髪型にも大正ロマンな髪型というのが存在します。
大正時代に流行した代表的なヘアスタイルといえば「フィンガーウェーブ」です。
取り入れれば一気に〃大正ロマン風〃を演出できます。
フィンガーウェーブとはその名の通り、指に巻き付けて作ったカールのような
大きめのくるんとしたウェーブヘアのことをいい、
主に前髪など顔まわりに作られることが多いです。
元々は大正時代にアメリカで大流行し、あのマリリン・モンローが取り入れたことでさらに有名になりました。
それが日本でも大流行し、大正ロマンといえば、このレトロなフィンガーウェーブのヘアスタイルというイメージが定着しました。
今では洋装のウェディングドレス姿に合わせる花嫁さんもいらっしゃいますが、やっぱり和装のイメージが強いのは 大正時代を連想させるからなのかもしれません。
現代風にアレンジされたフィンガーウェーブを用いたヘアスタイルは今すぐ取り入れてみたくなるものばかりです。
もうひとつ大正ロマンを代表する髪型に『耳隠し』と言うヘアスタイルがあります。耳隠しとは、その言葉通り耳を隠すヘアスタイルのことで、サイドの耳さえ隠れていればバックのまとめ方など特に決まりはなくボブやショートの方は内巻きのダウンスタイルにしたり、髪が長い方は編み込みアップなどもできます。
耳が見えそうで見えない、、、何とも色気のあるスタイルが『耳隠し』のポイントです。
この耳隠しとフィンガーウェーブを取り入れるとたちまち大正ロマンを味わえるヘアスタイルになります。

◆キモノワールド

先述したとおり、ハイカラさんコーデは矢絣柄+袴スタイル。
ではそれ以外の大正ロマンコーディネートはどういったものがあるのでしょうか。
着物の柄
①大正ロマン柄
バラやゆりなど華やかな洋花、メロンやイチゴの果物などなど・・・
そんなモチーフを竹久夢二が半襟に描いたのが大正時代初期のこと。
その後アールヌーボーの影響を受けたいわゆる大正ロマン柄が、着物や帯に多く描かれるようになりました。
大正ロマン柄の着物には、ポップな水玉模様、季節を感じる日本ならではの牡丹やアジサイの
花模様。バラやつりがね草などの植物に小鳥をあしらうようなモダンな模様も特徴です。
②アートスタイル柄
大正末〜昭和初期、海外の情報はどんどん日本へ入ってくるようになりました。
着物離れも少しずつ進み始めた頃、当時の女性たちを振り向かせたデザインはアールデコでした。
幾何学模様のモダンな着物は新奇をねらっていると批判もありましたが
デザイナーたちのエッジの効いた作品は今でもクールでカッコいい!
③古典柄
日本には万葉の時代から受け継がれてきた数多くの文様があります。
草木や生き物、文様などをていねいに描いた美しい着物や陶磁器は
ヨーロッパにも輸出され人気を集めました。
しかし大正〜昭和初期、これまで以上に大きく色鮮やかに描かれるようになったのは
当時の文化や流行りとも無縁ではありません。
大正ロマン柄の影響を受けて古典柄も徐々に変化していったのです。
流行りを意識しつつ、洗練された上品な着物。
それが古典柄の魅力ですね。

袴選びのポイント
袴スタイルは上半身の着物よりも下半身の袴の方が全体に占める割合いが大きく、
その色が全体のコーディネートの雰囲気に大きく関わりす。
それ故それぞれの色がもつ印象を把握しておくのが袴選びのポイントとなります。
・緑・青系・・・ 落ち着いた印象を与えると同時に、どこか知的なイメージもあり
         厳かな卒業式に列席する姿としてふさわしいといえます。
・赤系・・・ ダークなエンジやグラデーションのかかった色などのバリエーションがある色
                        です。
        華やかな印象を与え、晴れの舞台を彩るにはインパクトがあります。
・紫系・・・ 昔から高貴な色とされてきた紫は、どこなエレガントな雰囲気があります。
        大人びた表情を演出できる色でもあるので年齢幅も広がりますね。
・白系・・・ ピュアで清々しい清楚な雰囲気です。
        着物の色を選ばないのでコーディネートで悩む必要はなさそうですね。
・黒系・・・ 全体が引き締まった印象になり着物を引き立ててくれます。 ただ黒は重たい印
                       象に なりがち。おしゃれを楽しむ散策着として着ることをおすすめします。
袴を実際に着てみる
着たい着物を着て何が悪い!と言いたい方もおられると思いますが、
卒業式や結婚式、お茶会などそういった式典に列席する場合には、
着物にもそれなりのルールがあります。
まず卒業式などに着る着物は正装になる為、二尺といって両袖の袂(たもと)がやや長めの
着物になります。
また中に着る襦袢の襟は白色で、そこにさらに重ね襟を使用します。
対して普段に着る(散策など)着物は、両袖の袂(たもと)が短い小紋を使用し着物の柄や素材・色合いも 全てが自由にコーディネートでき、中に着る襦袢の襟も刺繍が入ったものを使用できます。
では次に袴を着用した際の注意点などをご紹介します。
①正座する時
膝で袴を踏んでしまうと袴がずれてしまう可能性がある為、前の袴を少し持ち上げ袴にゆとりを
もたせて正座しましょう。
②椅子に座る時
この時も正座同様、後ろの袴に両手を入れ、内側から袴を持ち上げ袴にゆとりをもたせてから
お座りください。
また着物の両袖は、合わせて膝の上に折りたたむようにして置きます。
③お手洗いの時
袴は小紋と違いスカートの様に広がるため、歩く時やお手洗いの時は大変楽になります。
着物の両袖が長い場合は袴で挟むように入れ、裾をまとめてたくしあげ床につかないようにすれば
問題ありません。
④階段
階段の上り下りは、袴の内側から手を入れて袴を持ち上げてください。
そうすることで草履に袴が引っかかることもなく、スムーズに上り下りすることができます。
こういった些細な所作をすることで着崩れ防止になり、見た目も上品ですのでぜひ実践して
みてください。

◆映えスポット

京都と洋館

さて、ご存知でしょうか?
古き良き和の町並みが残る京都。たくさんの歴史的建造物、寺社仏閣が建ち並んでいます。
「京都」と言えば神社仏閣のイメージをお持ちの方が殆どかと思います。
確かに世界遺産に登録されている由緒ある有名な神社やお寺が数多くあります。
そんな京都ですが、街を歩いていると古い洋館に出会う機会が意外とあることに気付く方も
おられるのではないでしょうか?
そうです。京都には明治、大正、昭和の初めにかけて数多くの西洋建築家による洋館が
建てられました。
今回はその中でもフォトスポットとしてお勧めしたい洋館をご紹介したいと思います。
①駒井家住宅
 京都市左京区北白川、白川疏水のせせらぎが心地よい桜並木の散策道沿いの一角に、
  駒井家住宅はあります。
 駒井家住宅は、「日本のダーウィン」と称され遺伝学等に大きな功績を残した駒井卓博士
 (京都大学名誉教授)の私邸として、 1927年、ヴォーリズ建築事務所の設計により建てられました。
 約270坪という広大な敷地に比叡山や大文字山を望めるように敢えて東側を開放的になるよう
 建てられたこの屋敷に象徴的なアーチ形の窓、さらに駒井氏所蔵の専門書が並べられている
 書斎などは個人宅ならではの良さがあります。
 この書斎からは疎水分流も見え春には満開の桜が楽しめるそうです。

【所在地】
京都府京都市 左京区北白川伊織町64
【アクセス】
・鉄道
 叡山電鉄「茶山」駅下車 徒歩約7分
・市バス
 3番 上終町ゆき「伊織町」下車 徒歩約2分
   北白川仕伏町ゆき「北白川小倉町」下車 徒歩約4分
 5番 岩倉操車場ゆき「上終町京都造形芸大前」下車 徒歩約4分
 204番 錦林車庫ゆき「伊織町」下車 徒歩約2分
  *駐車場はございませんので、公共交通機関をご利用ください。

②GOSPEL
 駒井家住宅から少し下ると見えてくる洋館カフェGOSPELです。
 京都の中でも有名なカフェなので行かれた方も多いかと思いますがこちらの建物は駒井家住宅を
 手掛けた ヴォーリズの流を汲む建物で蔦の絡まる外観もさることながら中に入って階段を上がると
 アンティーク調に統一された家具と心地よいBGM。
駒井家住宅とともに「和」の代表格銀閣寺の後に訪れると京都のまた違った雰囲気を
味わえる筈です。

所在地  京都府 京都市左京区 浄土寺上南田町 36
アクセス 市バス「浄土寺」または「銀閣寺前」下車、徒歩3分   
★主なターミナルからのアクセス★
京都駅からは、市バス5、17、100系統  
四条河原町からは、市バス5、17、   32,203系統
出町柳駅前からは、市バス17,203系統
叡電元田中駅から1613m

この2軒の建築に携わったヴォーリズですがこの他にも数多くの洋館を京都に残しています。
大丸デパートの社主の個人宅としての大丸ヴィラ、京都のランドマーク的な東華菜館もヴォーリズによるもので 、特に東華菜館は他とは違いヴォーリズの遊び心が満ち溢れている建物です。

③京都文化博物館
市内中心部の繫華街の中に現れるレンガ造りの建物がかつて旧・日本銀行京都支店であった京都
 文化博物館で現在は市民の憩いの場として日々様々なイベントが催されています。
外観のレンガもフォトスポットとしてお勧めですが大空間のホールの天井や壁など手の込んだ
設えにはきっと圧倒されること間違いないでしょう。
この京都文化博物館ある三条通りはかつて金融機関が立ち並んでおり当時の建物が今もテナントや
喫茶店 、レストランとして使用されています。街歩きで疲れた時など喧騒の中から現れる異空間で
レトロロマンの世界に浸ってみてください。
https://www.bunpaku.or.jp/

④同志社大学キャンパス
 京都御所の北側にあるのは綾瀬はるかさん主演の大河ドラマ「八重の桜」の主人公新島八重の夫、
 新島襄が創設した同志社大学今出川キャンパスです。
赤レンガ造りので統一されたキャンパスの中には結婚式も執り行われる教会や、一般にも開放され
ている教会をイメージしたレストランもあるので学生気分に浸ってみるのはいかがでしょうか。
また、明治時代まで天皇が住まわれていた御所に相対してアメリカ帰りの新島襄がキリスト教の
学校を新設したというのも面白いですね。
https://www.doshisha.ac.jp/

ここまで個人宅から公共の建物までご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか?

いずれの洋館も築100年程にはなりますが千年の都京都においてはまだまだ新しい建物の部類に
入るようです。
ちなみに京都市役所やかつての京都府庁も東洋様式を取り入れた西洋建築で市役所は今も現役で
使用されています。

◦家邊徳時計店
◦新風館
◦レストラン菊水
◦東華菜館
◦五龍閣
◦長楽館
上記のようなレストランやカフェなども外観だけでなく内観も素敵です。
どの洋館もほぼ当時のままの姿で残っており、着物や袴姿で訪れると大正時代にタイムスリップ
したような気分が味わえるでしょう。
今回は洋館にスポットを当てましたが、京都は日本で最初に学制が敷かれたりチンチン電車が
走ったり、 パンやコーヒーの消費量が日本一など意外な面も持っているんですよ。
『和』と『洋』から生み出されるどこか懐かしさも感じつつ、現代を感じるという何とも言えない
ノスタルジックな雰囲気や、日本の和を重んじた上で現代の流行やポイントを取り入れる、
新旧のコラボレーションが生み出すフォトジェニックさが魅力の京都!
大正ロマン感じるインスタ映えスポットを着物を着て巡ってみませんか?