特集・コラム

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個性豊かに着こなそう

個性豊かに着こなそう

2021年02月28日

◆個性ってなぁに?

最近50年ほど前の本を読む機会があり、その本の中で
「パリと着物」という記事を見つけました。
 当時パリ在住の日本人ファッションデザイナーが
サントオーレ街を着物で歩くという内容の記事でした。
 それも帯を皮のベルトに変えて・・・
50年前の日本では想像もつかないコーディネートではないでしょうか。
 
日本では固定概念に縛られてそのような着方で歩くと、
「間違えていますよ」「何かおかしいですよ」と声をかけられたかもしれません。
そのコーディネートに対するフランス人の反応は「和服だから・洋服だから」という
分け方をせず、そのコーディネートごと ”ひとりの人間”として受け入れる
という捉え方をすると書かれていました。
ルールや合わせ方等細かい部分にばかりにとらわれがちな日本人とは違い、
その人全体のまとまりや着た人間の中身を含めて目を向ける。
なぜのそのようなコーディネートをしているのか、そこからその人を見つめる。
その人を知るという考え方が浸透しているようです。

既に50年前のパリではファッションがひとりの[人間]、すなわち[個性]として
深く認知されていたのですね。

対して「着物はこう着るものだ」と本来の着物の美しさや佇まいを守ろうとする
日本人の考え方も絶対的に素晴らしものであると思います。
それぞれの国の歴史や背景、時代によって大きく左右されるのは個人個人の「考え方」
ではないでしょうか。

着物の本来のルールやルーツ、考え方通りにきちんと着られるのも素晴らしいですし、
日本の文化を感じられる楽しみ方だと思います。
色々なものや流行を取り入れ、自分らしく着こなす事も着物の楽しみ方です。

“個性”の意味は「ひとりの人間として存在していること」
 
正しい知識や着物の着方に関しては本やインターネットでいつでも手に入ります。
今回、こちらでは「自分らしく着物を楽しむには」「個性をどう着物で表現するか」
をご紹介していきたいと思います。

◆ありきたりな着物姿からアレンジした着物姿に変化

元々着物はお茶やお花をたしなむ方や年配の人、また成人式や結婚式など必要に応じて
着るものであって、近代では若者は夏に着る浴衣くらいしか馴染みがありませんでした。
着物といえば”旅館の女将さん”というイメージも強いようです。
しかしここ10年インバウンドの影響を受け『日本へ行くなら歴史ある京都。
京都へ行くなら着物を着よう』と着物をレンタルして京都の街中を散策する姿が
多く見られるようになりました。
 
10年前から一昨年くらいにかけて街中で見られた着物と帯のコーディネートに関しては
組み合わせが画一的に合わせられたものが多く、「着物と帯は違った色でコントラストを
味わう」、「着物の中にある色から取って帯や小物の色合わせをしていく」といった一定の
組み合わせに沿ったものが多く、選ばれる着物の特徴はピンクや赤のカラフルな色で
大柄な花などはっきりした色調・模様が人気でした。

しかし近年はどうでしょう。『インスタ映え』という言葉と共に若者たちの間で着物が
浸透し始め、お稽古や仕事で必要に迫られて着物を着るのではなく、“この着物を着たいから
着る”というようなとてもシンプルな感覚で、洋服を着るように一人一人違ったアレンジを
自由に楽しむようになりました。

最近では淡色や全身を一色でまとめるワントーンコーデや、レースのハイネックを着物に
合わせる、ブーツで楽しむ…など、洋服からアイデアを取り入れコーディネートを楽しむ方が
多く見られます。
いつの時代も若者はその時のブームに集まりますが、その中でも着物のベースは損なわれる
ことなく進化しています。
こういったところからも日本人の変化、個性の時代というものが感じられるのでは
ないでしょうか。
 

◆個性豊かな着こなし術

ヒョウ柄の着物?アニマルがいっぱい

アニマル柄とは?
パイソン・ゼブラ・レオパード・ダルメシアン・・・
アニマル柄と言えばやはり洋服のイメージがありますが、着物のコーディネートに取り入れても
とても相性がよく個性的に着るには抜群のデザインです。
着物自体にアニマル柄を取り入れると、レオパード柄はインパクトが強く印象深くなります。
対してパイソン柄は意外と肌馴染みがよく、初めての方にも挑戦しやすいです。

アニマルプリントとは?
一方アニマルプリントとは、格子柄や無地の着物などに、龍や猫・あるいは蝶や鶴、
コウモリやカラスなど鳥類があしらわれている着物を指します。
昔から鶴や蝶はおめでたい生き物として着物にも多用されてきた柄ですが、昔のような
大柄ではなく、例えば千鳥格子に小さな蝶がところどころに飛んでいるようなさりげなく
プリントされているものが現代では好まれています。
帯にも同様の柄やさらには小さなパンダがたくさんプリントされていたり
子猫があちらこちらを向いていたりと遊び心いっぱいの帯が私たちを楽しませてくれますかた
少しだけアニマル柄を使いたい方は、このような帯や小物類でワンポイント取り入れると
隠れたおしゃれに差がつきますよ。

小物を巧みに使って『かわいい』『かっこいい』 

伝統的な色無地や昭和のお母さんたちが着ていたような着物にレースやリボンをプラスして
楽しんでいる方も見かけます。
ではレースやリボンはどのようにして使うのでしょう。
まずは最初の一歩として、半襟をレースに変えたり帯の上に重ねたり。
飾りひもをリボンにしてみるのもポイントです。
レースをもう少し目立たせたい場合は着物の襟に重ねたり、
飾りひもは素材の違うリボンを2本使いするのも良いでしょう。
さらにフリルを襟や袖口、帯に重ねたりするとレースのボリュームがでてかわいさが
アップします。
ヘアスタイルは編み下げに小さなリボンを散りばめて・・・ドライフラワーも素敵です。

帯飾りにはブローチをあしらって”和”と”洋”をmixさせることでレースとの相性抜群です。
またかわいさとは対照的ににレースやリボンを使ってかっこよく仕上げるコツは
レースの色合いと配分
足し算と引き算がうまくできた時、”レース使いのかっこよさ”が生まれます。
大正ロマン柄にはポップな水玉やチェック柄、またバラやチューリップ・スイートピーなど
西洋の花がたくさん描かれており、華やかで色彩豊かな着物が特徴です。
このような華やかな着物にスッキリとした帯を締めたり、帯飾りをアールデコ調にするもの
良いでしょう。
ヘアスタイルは玉ねぎヘアやフィンガーウエーヴなどを取り入れ、ヘッドドレスを付ければ
雰囲気が出ますね。


下記にある袴の写真は
白の袴とは対象的に真っ赤な色の着物と大柄な花模様を
合わせることでお互いを引き立て合っています。
アクセントとしてチェックの帯とパール、
胸元にはレースリボンをもってくることにより
現代の大正ロマンに仕上がっていませんか?

大正ロマンコーデ


粋に着こなしているシンプルな縦縞の着物は
合わせる帯によりかわいくもかっこよくも変化します。
さらに襦袢や帯にレース素材を組み合わせることで
色っぽい粋な柄がちょっぴりかわいくもなります。

スタイリッシュコーデ



今人気を集めているアニマル柄。
少し奇抜な黄色のヒョウ柄着物も
黒の名古屋帯を合わせることにより、全体的に
落ち着きと大人な雰囲気ををもたせています。

アニマルコーデ



パンチの効いたパイソン柄の着物は
へこ帯をもってくることにより
柔らかな印象をもたらしています。
かっこよく着たいなら全体的な色合いを統一させ
ヘアスタイルもパンク系にすると
より一層個性が際立ちますよ。

アニマルコーデ
アニマルコーデ 兵児帯 名古屋帯



古き良きものもその時代に合った色や形にアレンジすると新鮮かつ斬新なものになります。
この様に若者の間で着物が最注目されているのも、感性を受け入れそれを個性として
昇華する圧倒的な美がそこに備わっているからではないでしょうか。
着物には多様性や個性を受け入れる懐の広さがあります。

今や着物は身近なお出かけ着になっています。
そしてその手助けとしてレンタル着物があります。
レンタル着物ではそんなニーズを逃さずキャッチし最新の着物や小物を用意しています。
ぜひレンタル着物を利用して手軽に思い思いの装いを楽しみましょう。

「個性」「コーディネート」「色合い」
一度全ての固定概念を捨てて
「自分が着たいと思う着物」
「自分の好きな組み合わせ」
「着ていて楽しくなるコーディネート」を
自由に楽しんでみられてはいかがでしょうか。
先述した通り、1人の個性として
「好きなもの」=「その人の生き方」
この考えを着物で取り込むのも現代の楽しみ方ではないでしょうか。
  
正解はありません。 
今回ご紹介した通り、色とりどりに好きな組み合わせを楽しんで頂くのも、
本来通りの着方のセオリーを守り「昔ながらの形式美」を引き継いでいくのもどちらも
「個性」となります。
まずは自由な気持ちで 気楽にお楽しみ頂ける「レンタル着物」の扉を開けてみては
いかがでしょうか。

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着物の歴史、着物のマナーや常識など、様々な着物の特集を掲載いしています。知っていると安心できるコーディネート方法などもご案内していますのでご覧いただいていると着物でのお出かけが少し楽しくなるかもしれません。