特集・コラム
ひなまつり
春が近づくと胸が騒ぐ。
もう一度 『あのお雛様』に会いたいという想いが胸の中に過ぎります。
春の楽しいイベントの一つ「ひな祭り」と聞いただけで女の子はワクワクします。
古来から七は縁起の良い数字とされており女の子がいる家庭では七段飾りの
雛人形を飾り、白酒や桃の花などを供えます。
初めての桃の節句は初節句、女の子の健やかな成長を祈るお祭りを『ひな祭り』と呼ばれています。
雛人形の由来は?
雛人形の衣装は?
お祝いの食べものは?
そんなひな祭りという風習のいろいろな段飾りの意味をご紹介します。
雛人形の由来
平安時代(794年~1185年)になると貴族階級の子供たちの間で、紙の人形を使った
「ひいな遊び」とい現在でいうおままごとのようなものが流行しました。
古代の中国では、邪気に見舞われやすい忌み日である「上巳の節句の日」に水辺で
みそぎをする習わしがあり、そこから人形に穢れ(けがれ)を移し、水に流して
お祓いをする習慣が生まれ日本に伝わったのがひな祭りの始まりだと言われます。
「ひいな遊び」と形代を厄払いとして流す『流し雛』行事とが結びつき、人の身代わり
として厄から守ってくれるという男女一対の紙の人形が生まれ、貴族たちの間で飾られ
るようになりました。
これが雛人形の原型と考えられました。
雛人形の名前の由来は「ひいな遊び」の「ひいな(雛)」からきており
「小さくてかわいらしいもの」という意味があります。
雛人形を段飾りにして、美しく飾り祝うようになったのは江戸時代。
最初は武家や貴族、明治以後は一般家庭に定着しました。
また、『節句(せっく)』には季節の節目に五穀豊穣、無病息災、子孫繁栄などを祈り、
神様へお供え物をしたり、邪気祓ったりする行事とも言われています。
お内裏様の衣装
『束帯衣装』
高貴な方の衣装です。
束帯衣装とは、平安時代以降の天皇陛下やお公家様がお召しになる
正装の事で、雛人形では主に大人様の衣装の事を指します。
・単衣 (ひとえ)
・袙 (あこめ)
・下襲 (したがさね)
・半臂 (はんぴ)
・袍 (ほう)などを着用、石帯(せきたい)を腰の部分につけます。
構成は下から単衣、袙、下襲、半臂、袍を着用、袍の上から腰の部位に革製ベルトである石帯を当てます。
袴は大口袴、表袴の順に二種類の袴を着用します。冠を被り足には襪(しとうず)を履きます。帖紙(たとう)
と檜扇(ひおうぎ)を懐中し、笏(しゃく)を持ちます。
お雛様の衣装
『十二単衣』
お姫様の衣装は十二単(十二単衣)(じゅうにひとえ)と呼ばれ、これも平安時代以降の女性用の正装です。
十二単を着る順番は、袴、単、袿(五衣)、打衣、表着、最後に唐衣と裳をつけます。
・唐衣 (からぎぬ)
女性の第一正装で女性装束の一番上に着る衣なので、十二単の中で一番美しく構成されています。
上半身を羽織るだけの短い着丈になっていて前身は後身より長くなっています。
二陪織物、固地綾、平絹などの袷になっており、色や文様は様々でした。
・表着 (うはぎ)
最も目立つため、豪華な生地を選んでおしゃれを演出する衣で、五衣の色目が見えるよう小さめに
仕立てられています。
・打衣 (うちぎぬ)
表着の下に着るもので衣紋を調整するのに使われています。表地は綾、裏地は平絹を用いていて
色は紅色または濃色で地文のみになり、表着より小さく仕立てられています。
・五衣 (いつつぎぬ)
打衣の下に数枚重ねて着るもので、平安時代末期から五枚に定着しました。地質は綾、唐綾、絹などを用いる。
合わせ仕立てで袖口、襟、裾が細めに見えるように中に挿んで着る。文様は地文のみで、
五枚の色の重ね方や配合に美意識を働かせており、これを「襲色目(かさねのいろめ)」と言います。
・単衣 (ひとえ)
女性用の単衣は綾や平絹、薄物の生地で作られ、様々な色を用いられ、文様の入ったものもありました。
単衣は平安時代中期から下着、肌着として使われていましたが、肌小袖が誕生するとあまり用いられなくなりました。
・長袴 (ながばかま)
光沢のある生地でつくられた紅色の袴です。飾り刺繍の入った腰紐が一本ついていて左腰を中心に前後にめぐらし、
身体の右側で結んでたらします。色は紅色が基本ですが、若い者は濃色、年齢の高い者は薄色を用いました。
平安時代中期の頃には白や青(現在の緑色)の袴も使われてました。
・裳 (も)
元はロングスカートのようなものでしたが、現在では表着の上から腰の後ろ半身のみを覆う着用方法になった。
基本は、白色で文様は自由です。生地は身分によって二陪織物、固地綾、平絹などが用いられました。
・髪型はお垂髪 (おすべらかし)が基本です。
本当に12枚も重ね着していたのでしょうか。
十二単というので12枚を重ね着していると思っている方が多いと思います。実は枚数は定まっておらず、
季節などにより打衣、五衣などの袿(うちき)を20枚を来ていたという説もあるみたいです。
今では5枚に落ち着き五衣と呼ばれるようになりました。
十二単衣のかさね色目には意味があり、四季や植物をイメージし季節や行事ごとにきめられています。
春の訪れを告げる紅梅は、濃い赤色のつぼみから、花が開くにつれて次第に淡い
ピンク色へと色が移り変わっていきます。
お雛様の衣装によく見られる色目のひとつになります。
三人官女
官女の衣装は、白の小袖に長袴、その上に打掛を着た姿が一般的です。
持ち物は、加え銚子、三方、長柄銚子を持ちお祝いの白酒を供します。
五人囃子
衣装は、素袍(すおう)の長袴に烏帽子をつけた童形。
持ち物は、太鼓、大太鼓、小鼓、笛、謡と楽器が大きい順に並び、笛や太鼓で結婚式
を盛り上げます。
随身(ずいしん)
お内裏様をおまもりする役目です。
左大臣は、向かって右で、高位の老人姿。
右大臣は、左で、若者姿。
仕丁(じちょう)
白練り絹の衣装で、くくり袴をはき、素足です。
仕丁とは、役所の雑役夫のことです。
昔は上記で述べたような段飾りが主流でした。
今は、住宅情報や仕事上で転勤が多いなどの理由でコンパクトなお雛様が人気のようです。
お祝いの食べ物
お雛様をお祝いするご馳走は、白酒や菱餅、草餅、巻き寿司、ちらし寿司などのご飯もの
と、蛤の清汁、蜆、あさりの味噌汁といった貝類を具とした汁物があります。
酒は焼酎に蒸した糯米と麹の仕込み、熟成させすりつぶしたものです。
子供用には甘酒が好んで飲まれています。
菱餅に表される3色は、上から赤(ピンク)、白、緑の順番で並んでいます。これらの色合いにはちゃんと
意味があり、 赤には 解毒作用、白には 免疫力を高める、緑には 厄除けの意味があります。
それぞれの春の色合いを連想させるだけではなく、それらを口にする事で健康を願うものなのでした。
最後に
雛人形は、母とその娘が一緒に飾り付けをする事で愛情が母親から子へ孫へと受け継ぎ伝えることも大切です。
その想いを子供たちに伝える。
最後に雛飾り、今も昔も職人さんが丹精込めて作られていますが、今のお雛様、顔も衣裳もチョイスできる
らしいですよ!
「春の弥生のこの佳き日」に
ご家族で祝っていただきたいと思います。
イベントの主役は衣装もトクベツに!日本ならではの伝統行事です。
和風のおめかしはいかがでしょうか
家族そろって和服を着るのはなかなか良いものです。
女の子はもちろん、お父さんお母さんもお着物をお召しになり「和」を感じるのはいかがでしょうか
そして、雛人形の前で揃ってにっこり笑顔で写真を撮り素敵な記念写真を残してあげましょう。
忘れられない一日のお手伝いは、ぜひ岡本で、子供から大人まで幅広く、色柄豊富に着物を
ご用意しておりますのできっとお気に入りの一枚が見つかると思います。