特集・コラム

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~着物で京都の四季を感じよう!

~着物で京都の四季を感じよう!

2025年08月01日

京都の大きな魅力のひとつは、やはり四季折々の美しい風景です。
春には桜が咲き誇り、夏は鴨川の川床、秋は彩り豊かな紅葉、冬はしんと静まる雪景色と、どの季節も京都らしい絶景が広がります。
さらに「祇園祭」「葵祭」「時代祭」といった京都三大祭りをはじめ、年間を通して数多くの祭りや行事が催され、そこには京都の歴史や文化が息づいています。
例えば「あの花が咲く季節だからこのお寺へ」「この祭りがあるからこの神社へ」と、季節ごとに訪れる場所を選び、さらにその季節に合った着物をまとって巡れば、観光はより一層特別なものに。京都ならではの四季と伝統を感じながら歩く時間は、心に深く残る思い出となることでしょう。

◆京都の四季と着物の柄


紅葉の秋と京都

まずご紹介するのは、紅葉が真っ盛りとなる秋の京都。数ある季節の中でも最も人気が高く、国内外から多くの観光客が訪れるシーズンです。
赤や黄色に色づいた木々と、歴史ある神社仏閣が織りなす風景は、何度見ても心奪われる美しさ。まさに京都の秋を象徴する絶景といえるでしょう。
特におすすめなのが、「清水寺」や「永観堂」で行われる夜の特別拝観・夜間ライトアップ
光に照らされて暗闇に浮かび上がる紅葉は、昼間とはまったく違う神秘的な美しさを放ち、訪れる人の心に深く刻まれます。その圧倒的な景色は一度は体験していただきたい必見スポットです。
そのほかにも、「東福寺」「高台寺」「南禅寺」「貴船神社」「嵐山」など、紅葉の名所は数え切れないほど。ぜひ秋の京都に足を運び、四季に合わせた着物をまとって紅葉の絶景を楽しむ特別なひとときを過ごしてみてください。

一方で、京都の秋は紅葉だけではありません。
毎年秋には京都三大祭りのひとつ「時代祭」が開催されます。
平安神宮の大祭として知られるこの行事は、10月15日から22日までさまざまな儀式が行われ、特にクライマックスとなるのが10月22日の時代行列です。
国内外から多くの観光客が訪れる、京都を代表する人気イベントとなっています。
その名の通り時代祭は壮大な歴史絵巻
明治維新から始まり、江戸・安土桃山・室町・吉野・鎌倉・藤原・延暦と、時代をさかのぼりながら8つの時代を再現します。
20の列に分かれた行列には、牛や馬も含めた総勢約2000名が参加し、それぞれの時代の衣装をまとって京都御所から平安神宮まで約2kmを練り歩きます。
行列の通過にはおよそ3時間を要し、その壮大な光景はまるで京都の歴史をタイムスリップして体験しているかのよう
紅葉と並び、秋の京都を象徴する文化行事として一見の価値があります。


京都の秋は紅葉が美しく赤や黄に染まり、木の実が実る季節。
そんな秋には、夏の涼しげな装いとは違い、温かみのある色合いや柄の着物を選ぶことで、より一層季節感を楽しめます。
特におすすめなのは、秋の風情を感じさせる紅葉・萩・撫子・山茶花などの柄。深みのある赤や橙、落ち着いた茶や紺といった色味を取り入れれば、京都の街並みや紅葉の風景と調和し、写真映えも抜群です。
秋ならではの着物を身にまとい、京都散策や紅葉狩りを楽しんでみてはいかがでしょうか。

雪化粧の冬と京都

京都の冬は底冷えするほど寒さが厳しい季節ですが、この時期にしか出会えない特別な景色があります。
澄んだ空気に包まれ、古都の街並みは一層気品と厳粛さを増し、雪化粧をまとった姿はまさに幻想的
。寒さを忘れて見惚れてしまうような光景が広がります。
中でもおすすめなのが金閣寺
華やかな金色の建物に真っ白な雪が積もる姿は、訪れる人々の心を惹きつけてやみません。
まるで絵葉書のようなその風景は自然が生み出す究極のフォトジェニックで、思わず自分のカメラに収めたくなる美しさです。
冬は自然の色味が少なくなる分、着物は寒さを感じさせない華やかな柄を選ぶのがおすすめ。
メリハリのあるコーディネートは冬景色の中で一層映えます。
特に菊・南天・松竹梅といった縁起の良い柄は、冬の京都散策にぴったりです。

桜の春と京都

春は桜の季節。
京都では街の至るところに桜が咲き誇り、寺社仏閣と桜が織りなす風景は春の京都を代表する風物詩です。
中でも八重桜は、お寺の建築美と重なることで他の地域以上に映え、華やかさと和の風情が見事に調和します。秋の紅葉と並び、春は京都が最も美しく彩られる季節といえるでしょう。
また桜の散る頃には、京都三大祭りのひとつであり最も古い歴史を誇る葵祭が開催されます。
上賀茂神社と下鴨神社の例祭で、毎年5月15日に行われる「路頭の儀」では、平安装束に身を包んだ総勢500名を超える豪華絢爛な行列が、京都御所から下鴨神社・上賀茂神社へと練り歩きます。まさに千年の都・京都の歴史を体感できる瞬間です。
そんな春におすすめなのは、桜や牡丹といった華やかな花柄の着物
実際の開花に合わせて花柄を選べば、京都の街並みに溶け込みながら季節感を存分に楽しむことができます。
桜舞う京都の春に合わせた着物姿は、写真にも思い出にも鮮やかに残ることでしょう。

川床の夏と京都

京都の夏といえば、涼を求めて楽しむ鴨川や貴船の川床、そして全国的にも有名な祇園祭が欠かせません。
八坂神社で行われる祇園祭は、天神祭・神田祭と並ぶ日本三大祭のひとつで、毎年国内外から多くの観光客が訪れます。
「コンチキチン、コンチキチン」と祇園囃子が響き渡り、7月の京都はまさに祇園祭一色に。
千年以上の歴史を誇るこの祭りは、7月1日の吉符入から31日の疫神社夏越祭まで、1ヶ月にわたり多彩な神事が繰り広げられる八坂神社の祭礼です。
特に17日の前祭 山鉾巡行と24日の後祭 山鉾巡行、そして宵山には多くの人々が集まり、京の街は大いに賑わいます。
そんな夏の京都をより一層楽しむなら、涼しげな花や草木の柄の着物がおすすめ。
色は寒色系やモノトーンを選ぶと、凛とした涼やかな印象を演出できます。特に紫陽花・朝顔・竹・笹・柳といったモチーフは夏らしさ満点で、川床や祇園祭の雰囲気にぴったり。
夏ならではの着物スタイルで、京都の風情を存分に楽しんでみてください。

◆季節を選ばない着物の柄

今回は京都の四季と着物の柄をテーマにしましたが、いかがでしたでしょうか。
他にも着物の柄はたくさんございますので少しご紹介しましょう!

おめでたい柄(吉祥文様)

菊の花模様
菊の花模様と聞くと仏花のイメージを持たれる方も多いかもしれませんが、実は菊は「不老長寿」を象徴する、とても縁起の良い花です。日本の国花でもある菊は、古くから格式高い文様として親しまれてきました。
菊の花が咲き誇る着物は、気品と華やかさを兼ね備え、上品な装いを楽しむことができます。季節を問わず取り入れやすい柄でもあるため、京都観光やフォーマルな席にもぴったり。落ち着いた中にも華やかさを演出できるおすすめの文様です。

手鞠
手鞠模様は、古くから子どもの遊び道具として親しまれてきたことから、少女らしい可愛らしさを象徴する文様です。
特に若い女性が着る振袖にぴったりで、華やかさと愛らしさを引き立ててくれます。
また手鞠には「丸い形が縁を結ぶ」「転がることで運を呼び込む」といった意味も込められており、嫁ぐ娘に持たせると魔除けになるとも伝えられています。そのため結納や結婚式などおめでたい場面にふさわしく、格式のある振袖や訪問着におすすめの柄です。

鶴の文様
長寿の象徴として古くから愛されてきた鶴の文様
鶴は一生つがいで添い遂げると言われることから、夫婦円満や長寿の意味を持ち、結婚式の花嫁衣裳によく用いられています。
もちろん、ご親族やゲストが身に纏う着物の柄としてもおすすめできる、非常に縁起の良いモチーフです。
近年はレトロブームの影響もあり、振袖に描かれる鶴柄の人気が再び高まっています
古典的でありながらも存在感があり、モダンな帯や小物と合わせれば現代風の着こなしにもアレンジ可能。
伝統とトレンドを兼ね備えた鶴模様の着物で、特別な一日を華やかに彩ってみてはいかがでしょうか。

伝統的で格の高い柄

有職文様
**有職文様(ゆうそくもんよう)**は、平安時代に貴族の調度品や装束に多く用いられた由緒正しい文様で、現在でも礼装用の着物に広く取り入れられています。格調高い印象を与えるため、結婚式や式典などフォーマルな場面に最適です。
代表的な柄には、長寿や繁栄を象徴する亀甲、吉祥の象徴である鳳凰、円満や調和を意味する七宝、気品ある雰囲気を漂わせる鶴雲、優雅な曲線が美しい**立涌(たてわく)**などがあります。いずれも格式高く、着る人の品格を引き立てる伝統文様です。

正倉院文様
正倉院文様は、奈良・正倉院に伝わる御物に多く見られる文様で、シルクロードを通じて伝来した異国情緒あふれるデザインが特徴です。
中でも有名なのが、華やかで空想的な植物を表した**宝相華唐草(ほうそうげからくさ)や、花をくわえた鳥を描く花喰鳥(はなくいどり)**といった文様で、どこかエキゾチックな魅力を放っています。

また、厄除けや魔除けの意味を持つ文様としては、亀甲・ウロコ柄・青海波なども正倉院文様に含まれ、吉祥文様として現在の着物や帯のデザインにも広く用いられています。
伝統と異国文化が融合した正倉院文様は、品格と個性を兼ね備えた意匠として人気です。


着物の柄には、四季折々の自然を表したものや願いを込めたものなど実に多彩な意味が込められています。
その中で一番大切なのは、その時の気分やシーンに合わせて自由に楽しめる柄を選ぶことではないでしょうか。
今、レンタル着物岡本で特に人気を集めているのは、華やかで個性を引き立てるリバティ柄や遊び心あふれるアニマル柄
定番の古典文様とはひと味違うモダンな雰囲気が楽しめ、京都の街並みにも新鮮に映えます。

京都の四季は、春夏秋冬どの季節にも違った魅力があり、着物姿で歩けば必ず新しい発見に出会えるはず。
ぜひ オリジナルコーディネートをレンタル着物岡本で見つけて下さい 。

【この記事の著者】
レンタル着物岡本 八坂神社店
〒605-0073 京都市東山区祇園町301-1
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